人生100年だと思うと欲が出てくる
「人生100年」という言葉が定着してからというもの、誰もが自分の寿命は100年と勝手に決め込む人が増えてきたように思う。
実際はそうではない。120歳くらいまで生きる人も出てくるのかもしれないが、働き盛りの40代で亡くなる人もいるし、生まれる前に亡くなる子もいるのだ。
会社の送別会か何かの帰りだったと思うが、乗ったタクシーの運転手がなかなか話し振りの上手い男で乗客の風変りな忘れ物や職場の同僚の失敗談などを面白おかしく語っていたのだが、運転手の話すトーンが不意に少し低くなった。
「…今、話した馬鹿な奴は俺と同期入社でね。でも年は一つ上だった。風邪一つ引かないバカだったのに先月くも膜下出血で死んじまった。酒もたばこもやらず健康診断でコレステロールや脂肪肝も引っかからない健康の塊みたいな奴だったんだけれど三十年以上高い税金と厚生年金を払い続けてさ。ようやく年金貰ったって言ってね。これで俺もようやく年金生活になったからシフトを軽くしてもらってDIYでログハウス作るんだってはしゃいでいた。三十年以上払い続けてもらった年金は二か月分…いやになるよね」
実際、そういう人もかなり多いはずだ。平均寿命が80歳、90歳と言ってもそれは計算上の話であって早逝する人も多い。
人生100年!という言葉を鵜呑みにして人生設計して70代で死んだら何だかとてももったいないような気さえしてくる。
それくらいならいっそ人生60年と割り切って、明石家さんまの言うように「生きてる分は丸もうけ」と考えた方が年金の損得など考えず楽しく生きることができるのではないか?
そう考えると私は再来月で臨終だ。まだ少しやりたいことがあるな。
やっているコト、やりたい「何か」を少しづつ書き溜めていこうと思います。
2022年7月4日 有江ノイ
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