自然画家 絵美さんの個展「伝 [den]」に見るインスタレーションの新しいカタチ。

今日(7月29日) 内子町並み保存地区の3店で開催されている自然画家 絵美さんの個展を見てきました。今までいくつかこうした個展に類似した展示などの裏方を務めたことがあるのですが、大抵は天井と床を突っ張りポールのような展示部材で固定してボードに固定、あるいは店舗の白壁を利用してワイヤーやチェーンで作品を吊るし、見る順番や作品解説など配置するというのが普通です。そうした固定観念があったのでそれを3店の店内でどのように展示するのかがとても気になっていたのですが実際に展示を見て驚きました。古民家の落ち着いた空間のいろいろな場所に絵美さんの作品が独特の存在感をもって忽然と現れるのです。それは井戸の古い汲み上げポンプの上の白壁であったり、床の間で本来は掛け軸が掛けられるべき空間であったり、あるいは調味料の瓶が並ぶ商品棚の横であったり、廊下の突き当りの壁であったり…
そういう、本来はまったく無意識に見過ごすような空間に、荒々しいまでのエネルギーを秘めた鮮やかな色彩が眼に飛び込んでくるのです。混乱と感動が入り混じったような気持ちで出逢った作品と向き合ううちに、それが樹木や宇宙、生命、自然、生命の光や鼓動を映しとった作品であり色彩であり光であることがわかります。
古民家のあらゆる場所に切り取られた窓のように現れる「自然」!これは展示全体が一つの優れたインスタレーションとなっています。なんて難しいことを言わなくても「オモシロクテ、ウツクシイ!」
舞台となっている古民家もそれぞれ個性あふれる素敵なお店で見たことのない商品がたくさんありますので見飽きません。明日30日が最終日となっていますので、自分の感性を豊かで満ち足りたものにするために是非3店をゆったりとした気持ちで鑑賞してみてはいかがでしょうか?

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